観る人

【 観る人 】

全国のフレンドの皆様、超おはようございます!
愛とパワーを与える百姓若旦那、中川吉右衛門です。

「百姓は誰でもできます!」

僕はそう断言します。

こんなこと言うと、

「農家なめんなよ!」

なんて言われるかもしれませんが、実際そうだから言っているまでです。

百姓の仕事は、単純なものがそのほとんどです。

見ていれば、単純にして明快。
そして、その反復だけですから。

だから、「百姓は誰でもできます」と僕は言います。

だがしかし。

これがなんとも言えず奥が深い・・
と言うか、その人の「意識」と「思考」が、モロに仕事に、表に現れる。

それが、百姓の仕事だと僕は思います。

これは、僕が幾度となく、見て、経験し、体験したことなのでわかります。
間違いない。

例えば、今の時期の田んぼ仕事といえば、「ヒエ刈り」です。

田んぼに生えている稲以外のヒエという草を取る。

取ると言っても、そのまま田んぼに取ったヒエを置いておくのは、この仕事をする意味が全くないので、取ったヒエは田んぼの外に運び出します。

この刈り取り前の田んぼのヒエは、稲よりもはるかに伸びているので、草を「取る」のではなく、鎌などの道具で「刈り取る」わけです。

単純ですよね。

稲よりも伸びた、「穂」の姿形も全く違う草を刈り取って、それを田んぼの外に運び出す。

説明としたら、これだけです。

実際にやって見せるのも、1本か2本のヒエを刈り取るところを見せるだけです。

これしか言いようがない。

なので、子供でもわかるし、誰でもできる。

でもね。

素人は、ほんっっっっっとうに、刈れないんです。

刈れないというのはちょっと語弊がありますね。

刈れるけど、刈れてない笑

スピードが遅いのはいいとしても、必ずと言っていいほど、残っている。

要するに生半可なんです。

僕は、ずっとそう思ってきたんではないんです。

慣れていないからできないのだと思っていました。

なので、「しょうがない」と、諦めていたのかもしれません。

でもね。
思い出しましたよ。僕も。

先日、伊藤 研人くんがうちに来た際、夜まで時間が空いているというので、日中はずっとヒエ借りを一緒にしました。

初めての経験とのことで、先に言ったように、説明して、2、3本のヒエを実際に刈って見せて。

「こんな感じにヒエを刈っていきましょーーー♪」

と、始めたわけです。

最初は遅いし、慣れない感が満載でした。

僕は、ちょいちょい彼を気にして観察していました。

すると彼は、途中からじっと田んぼの真ん中に突っ立っているんですね。

「どうした?なんかあったのかな?」

と思い、彼を見ていると、その視線の先は、僕やコマちゃん(カミさん)の手元や体の動き、鎌の動き、使い方。

それを、ずっと、じっと観察している。

ある程度見たら、また仕事に戻る。
また、立ち上がりじっと観る。
また、仕事に戻る。

これの繰り返しを何度もしていました。

「なるほど。彼はこうして全てをありのまま、素のまま、フラットに見て、吸収する人間なんだな。」

と、完全に理解しました。

なので、僕もあえて何も言わず、そのまま続けました。

で、休憩の時一言。

「ね。わかったでしょ♪」

と言うと、

「はい。これは面白い。やっとこれからこの鎌と一緒に暴れられそうです♪」

と。

もうね。これだけでオッケーなんです。

この会話だけで、もう全部僕と彼の中では多くの言葉を交わさなくても、理解しています。

それからの彼は、もう早い早い。

スピードもさすがに僕やコマちゃんには劣りましたが、もう直ぐそのレベルまでくる勢いですし、ちゃんと綺麗に、きちんとヒエ刈りをしていました。

で、思い出したんですね。

そうだ。

僕だって、一番初めヒエ刈りを師匠のところでやった時は、こうだった。

最終的には、僕と兄弟弟子の菊池くんが、ヒエ刈りも草取りも一番早く綺麗にできていた。

これは何が現れているのでしょう。

時間ではないんですよ。

その仕事に向かった時間ではない。
時間なんてそもそも無いので。

だとすると、人は先輩を超えられません。

あるのは、意識と思考です。

僕も菊池くんも、これから百姓になるんだという意識があり、師匠の田んぼでも、自分の田んぼ以上に真剣になって取り組んでいた。

それがあって、じゃあどうすれば一番早く綺麗にこれをやるにはどうするか?

という思考になり、それを考え、観て、実践する。

これがあって、初めて「仕事」に昇華するのです。

作業と仕事は一緒ではない。

作業はあくまで作業であり、仕事とは魂が入らないと仕事にならない。

それを、僕は先日思い出したんです。

そうか、手伝いで田んぼに来ている人のほとんどが「作業」に来ているから、そうなんだなと。

でも彼は違いました。

彼は「作業」しに田んぼに入ったわけではなかった。

「仕事」しに田んぼに入ったんですね。

彼の凄さとあの人間力は、いちいちすべてが真剣勝負で生きているところから生まれているのだと、実感しました。

だから今。日本を知るために、自分の足で、五感で知るために歩いているんですよ。

多くの人は、仕事を作業にすり替えて毎日を過ごす方が多いと感じます。

それに対し、自分で独立し、成功するような人たちは、単純な作業をも「仕事」にしていく。

やっていることは同じなのに、出る結果が違うのは、多くの場合仕事しているか、作業しているかだと僕は思います。

そして、百姓の仕事はそのほとんどが、単純作業です。

自然栽培なら、なおのこと単純作業も増えます。

にもかかわらず、出来たり出来なかったりするのは、天候のせいでも、農薬・肥料・ホルモン剤のせいでも、土地のせいでもなく、周りの環境でもなく。すべては百姓の意識と思考の表れです。

だからね。僕は断言します。

百姓は誰でもできます。

ただ。

できるかできないかは・・・

あなた次第でございます。

皆様、すべてはあなたが作り出す世界。
作業よりも仕事した方が愉しいでしょ♪の素敵な1日を!

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