エンドウ〜マメに働き生きる人の食べもの〜
●エンドウ 〜マメに働く人の食べ物〜
こんにちは!天然農法中川吉右衛門です。
5月の畑には、冬の寒さを耐えてきたエンドウがグングンと育生しています。
我が畑では、エンドウは去年の秋に種を下ろし、寒さと積雪の圧力をエネルギーにし、冬を越え、新緑萌ゆるこの季節に、開花・結莢します。
今、畑には、マメ科ならではの美しい花が咲き誇っています。
今回、僕がご紹介するのは天然農法の「絹さや」です。
その前に、きっと多くの人がよくわかっていないであろう、エンドウに付いてお話ししてみようとおもます。
ちょっと長くなりますが、マメに付いての知識と野菜への愛情が深まると思いますので、時間を作って読んでみてください。
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まず、エンドウというのは、豆を食べる“実えんどう”と、豆が大きくなる前に若取りし、さやごと食べる“さやえんどう”とがあります。
どちらも、同じエンドウですが、完全に熟して豆として収穫するのか、まだ若いさやの状態だが、中の豆がある程度膨らんでからそのグリーンの柔らかい豆の状態で収穫するのか、はたまた、完全に若いさやの状態で、さやごと食べられる位に若採りするのか、で、
「エンドウ豆」「グリーンピース」「サヤエンドウ」の違いができます。
つまり、収穫する時期。食べる目的。料理の目的。によって同じエンドウが、呼び名も変わるということですね。
この中で、僕はグリーンピースは好きではないですが、絹さやと呼ばれるエンドウが大好きです。
つまりエンドウの若採りです。
今回、僕が皆様にご紹介したいのも、この絹さや。
柔らかく・味わいが深く・何よりもそのシャキシャキとした歯ざわりと、食感。そして春の緑の香りがなんとも言えません。
ここからは天然農法のエンドウのお話です。
5月。暖かくなってくると、『野良仕事』は忙しくなります。
この多忙は”マメに働く”ことによってこなされていきます。
つまり、農耕とは、苦労という概念などなく、きちょうめんな仕事をするということです。
そして”マメに暮らす”ということでもあります。
それは体の丈夫な生活が基本となります。
そうなると、日本列島の人間は、働き暮らすために「豆」が必要になる。
穀類は《収穫ー脱穀ー調理》に手間がかりますが、豆類はその辺が簡単です。
しかも穀類より大粒の種である豆類は、そのままで効率よく調理できるのだから、豆食は、多忙な時にマメに働き、マメにきることができるのも道理です。
豆類のなかで一番初めに収穫できるのが、エンドウです。
いつ頃から食べられていたのか?は定かではないですが、10世紀ごろの書物には「ノラマメ」という名前が出ています。
エンドウは、ゆらゆらと陽炎が立つ野良で育つマメなので、野良豆です。
それが野良と陽炎の関係で”炎豆(エンドウ)”となったのだろう考えられます。
陽炎の立ち上る『野良』は、晩秋から早春の気温が他の地より2度ほど高い場所で、この陽光と暖気はエンドウが丈夫に育つ適地となっている。
本来、日本列島のエンドウは、平地の畑に栽培されてきたものではありません。
エンドウは山地で、木炭生産と表裏の関係性で作付けされてきた、土地柄が歴史的発展になっています。
急斜面のならやクヌギは材木として切り倒される。
その下の雑木や草を焼いて、そのあとにエンドウが撒かれる。
こうした傾斜地は、水はけがよく、寒波や降霜の時は、冷気流が局部的に上昇するので、寒害を受けない。
また、南面の斜面は風当たりが弱く、日差しをいっぱいに浴びるので、真冬でも日照が多く、エンドウにとっては格好の適地になる。
逆にエンドウは強い風に当たると、育成伸長が抑えられ、雨の多い年は、枯れ上がりが早くなって、減収する。
もちろん、それによって病気が発生することも原因の一つですが、もっとも減収に影響するのは、日照不足による結実不良です。
これは、エンドウが”マメ”に働き暮らせなかった結果です。
この頃は、人間だって、一日の日照が長く、強くなりつつあるこの時期には、全身に浴びる受光が一番大事な時です。
この、共通の生理が、エンドウと人間の暮らしと同じということを理解することがとても大切ですね。
エンドウとは、マメに生きる。マメに働く日本人が、昔から好んでたくさん食べてきた食べ物だということが見えてくるわけです。
エンドウの収穫時期には、たけのこやふきがふんだんにある時でもあり、だからこそ、一緒に炊いたりして、美しい緑を食卓に届けてくれます。
子供が喜ぶものなら、エンドウの卵とじなんて最高ですよね。
エンドウの栄養価を見ても、良質なでんぷん質と、タンパク質。血を綺麗にするレシチン。若いマメには糖分が多く、すぐに体のエネルギーに変わる。
まさにエンドウこそ、マメに働く人の食べ物なのです。
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無肥料・無農薬。自然栽培の絹さや。
ぜひ。マメに働きマメに暮らすあなたの食べ物として。
食べてみてください。味・香り・歯ざわりは、当然絶品です。
絹さや・ふき・よもぎのセットも、今ならではの食べ物として非常に貴重です。
ぜひ食べてみてください。
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