継承のお料理の本質
●和江さんの料理教室
こんにちは!
お料理とは想像力。中川吉右衛門です。
僕の母(和江さん)は、お料理が好きなのか、嫌いなのか、全くわからない人だ。
例えば、あなたは呼吸が好きですか?
という質問があったとしたら、は?ってなるじゃないですか。
好きも嫌いもないでしょ〜〜!
というのが答えだと思うんですが、そうですよね。
当たり前すぎて、好きも嫌いもない。
でも、超絶重要なもので、これが止まれば死ぬってやつです。
和江さんにとって、お料理とは、そういうものだと思っている。
僕がガキの頃から、家族の為に毎日毎日食事を作る。
そのお料理にも哲学があって、
早く・手軽に・美味しく・健全に
をベースに、なんでもチャチャっと作ってしまう。
もっとも印象的かつ象徴的だったエピソードがある。
僕が高校生になったばかりの時。
高校で友達になった友人をうちに連れてきた。
食べ盛りの僕らに、和江さんは”こめし”(軽い食事)を作って出してくれた。
誰もが知る袋ラーメンだったが、それを食べた友人が目を見開いて、
「な・なんだ!?このインスタントラーメンは!?!?初めて食べた!!」
「嘘つけ!ただのサッポロ一番だぜ。」
「んだがら!普通サッポロ一番って、こんなに野菜とか肉とか入ってねーべ!まるでお店で食べる味噌ラーメンじゃねぇかぁぁああああ!!!!!」
と、猛烈に感激し、僕にこう言ったのだった。
僕は、彼の言動が全くピンとこず、どゆこと?と聞くと、
彼の常識のインスタントラーメンは、何も具材など入れない素のインスタントラーメンなのだという。
つまり、小さな頃から(お母さんが作ってくれたものでも)彼は、そういうインスタントラーメンしか食べたことがないというのだ。
なるほど。と、むしろ僕は驚いた。
僕は彼と真逆で、素のインスタントラーメンなんて、食べたことがなかったからだった。
たとえインスタントラーメンであっても、何かしらの”手”を加えて、野菜や肉を炒め、卵を茹で、ネギを刻み、お店のラーメンのように作るのが和江さんで、僕はそれを見てきたから、インスタントラーメンとは、そういうものだと思って生きてきたからだ。
ほとんどインスタントラーメンやファストフードの類は、うちでは食事にはならず、おやつ的存在だったので、ほとんど食べたことがなかったが、とにかく、和江さんは、お料理をそれこそ息をするように、当たり前にする人なのだ。
なので、僕もお料理は得意だし、普通にやる。
お料理が好きなのか?と聞かれても正直返答に困る。
お料理って、好きとか嫌いとかでやるもんなん?
っていう気持ちがあるからだ。
なので、お料理が好き!とか嫌い!というのは、どういうことなのか?よくわからない。
得意!苦手!ってのはわかりますが。
和江さんは、特に僕にお料理を教えてきたり、一緒に台所で何かを作ったりして、お料理を習った記憶はない。
しかし、その母の姿を見て、勝手にこういう人間に育ったのが僕だ。
つまり、これこそが「継承」だと思うのです。
*******
今日、古民家萬五郎にて、「和江さんの継承のお料理教室」が、3ヶ月ぶりに再開されます。
山形の田舎でも、今回のコロナで、社会的に自粛ムードが蔓延し、萬五郎でもイベントなどをやめておりましたが、この7月から復活させることにしました。
その復帰第一回目の企画が、このお料理教室です。
継承のお料理というのは、僕が名付けました。
継承の中には、当然風土食や、この地にずっと伝わってきた伝統食も含まれます。
今回のテーマは「笹巻き」だそうです。
いいですよね。
笹巻きは昔の人からしたら、超絶貴重なおやつ&手軽飯&保存食だったわけです。
それがこの時期に作られるのにも、ちゃんと意味があるわけです。
そうした風土食を継承すること。
それともう一つのテーマとして、こうして、お料理を当たり前にする姿を家族に魅せ続けることで、培われる思考を継承させることです。
それを伝えるのに、もっとも適任なのは、和江さんだと僕は確信しています。
なので、このお料理教室で学べるもっとも大切なことは、HOW TO やノウハウでは無い。
お料理とは何か?
それを和江さんのお料理の手順や、やり方、レシピの中に見ることができるだろう。
なぜ?そうするのか?
なぜ?これをつくるのか?
その向こうには、つまり”人”がいるからだ。
人間がいる。家族がいる。あなたがいる。
だからお料理とは想像力であり、想像力とはつまり愛だ。
だから息をするようにお料理ができるのです。
ご参加の皆様。
そんなことを頭のどこかに入れて、今日は愉しんでください。
Ciao♫
=================
●#和江さんの継承のお料理教室
https://www.facebook.com/events/739655400177415/
満員御礼!ありがとうございます!
次回は8月上旬の予定です♫
●旨味と味わいはそのままに、嫌なにおいは一切しない
驚愕の吉右衛門ニンニク!
http://shop.kichiemon14th.net/?pid=135316183