【親父と農FUTURE!】

【親父と農FUTURE!】
全国のフレンドの皆さま、超おはようございます!
農内変換・愛とパワーを与える百姓、中川吉右衛門です。
27年前の8月12日。
13代中川吉右衛門の親父が、交通事故であの世に行きました。
享年37歳。
若いねぇ。
だから、お盆の前の日はいつも親父の命日です。
昨日は、親父と酒を酌み交わしてきました。
酒が大好きだったので、とても喜んでいましたよ(笑)
封を切っていない一升瓶を持ち、お墓に備え、手を合わせてそのまま行こうとしたら・・・・
一升瓶の口に、包んである紙をとめるためついていた輪ゴムが突然、
プツン!と切れました。
ははぁん。なるほど。そうですか。
一緒にここで飲もうぜ!って言っているんだなぁ。
と思い、そこに座って、酒を酌み交わしたんです。
僕の中の親父というのは、とにかく怖い存在でした。
怒ると修羅のごとく!
しかし、とにかく真っすぐで、愛情深く、負けず嫌いな男でした。
若かりし頃は悪行を尽くし、実の母親に本気で首絞められると言う(笑)
そんな親父でしたが、これまた自分の親父(僕の祖父)も早く亡くなってしまったので、突然、家業である百姓になったのです。
そこから、親父のフリキッタ百姓人生が始まりました。
当時の百姓というのは、近代農業に移行する全盛期!
農家のせがれは、皆こぞって農業高校に通い、農家の跡取りとして知識・技術・仲間等を育んで行きました。
当時の田舎では、農業高校は花形の学校です。
時代背景は、高度成長全盛期。
農作物はじゃんじゃんつくれ!
米もバンバン作れ!
作れば作るほど、農家の収入は右肩上がりで登っていくという時代です。
農業の機械化、効率化、大規模化もどんどん進んでいきました。
そんな時代に親父は、金持ちボンボン学校であった、私立の日大山形に通い、悪さの限りを尽くし遊びまくっていたわけです(笑)
で、とつぜん、百姓にならざるを得ない状況になった。
そこで、親父の負けん気スイッチが入ったんですね。
「百姓の事はなにも分からないけど、この町の同年代の中で、一番初めに一番の百姓になってやる!」
と。
そこからの親父は、後年「米キチ」と言われるほど、田んぼに没頭。
新しい知識や技術を習いに行き、様々な技術にチャレンジしていきました。
例えば、稲の「一本植え」。
今でこそ、自然系の農法ではよく知られることになったこの栽培法も、当時は絶対にありえない事でした。
4~7本ぐらいをまとめて植えるのが常識だったからです。(これは今でも)
一本植えでも、収量に影響ない事。
むしろいい稲になり、病気に強く、食味も向上する事を実証したのです。
さらには、施肥管理、薬の使い方などをこと細かく研究。
いまでも大学ノート10冊以上の量の自作のノートが残っています。
そして、もっとも凄いな~と思っているのは、自分でお米を直接販売する組織を、仲間で立ち上げた事です。
お米って、一昔前までは、自由に販売できなかったのです。
1995年までね。
ホントちょっと前でしょ(笑)
今の僕なんか、その当時こうしてお米を販売していたら、「ヤミ米業者」として、捕まってもおかしくなかったわけです。
そんな時代に、農協にだけ販売を任せるのではなく、自分達のお米を自分たちで販売しようと、仲間を集めそれを組織化。
今現在もこの地区ではその組織があり、自分たちのお米を自分たちで流通させている。
その立ち上げの初期メンバーで、中心的な役割を果たしていたのが我が親父でした。
アッパレ!!
そんな話を、僕は自分が百姓になってから、母や、地元の先輩農家に聞き、改めて百姓の親父の姿を25年の時を経て知ったのでした。
いろんな事を想いつつ、墓の前で酒を酌み交わす。
今の僕と親父なら、どんな百姓話になるのか?
当然、親父たちは慣行栽培です。
僕のような自然栽培の農に対する考え方と、合うのか合わないのか?
ケンカになるのか?
殴り合いになるのか?
手を結べるのか?
それは分からない。
それでも話して見たい!!
今、日本の農と食は危機的状況を迎えている。
このまま何もせずに迎える未来は、けっして良いものだとは思えない。
だから今!農法の壁を越えて、話して見たい。
日本の農の未来を。
今、農法の違いだけで日本の農家が手を結べなくなるのは、心底つまらないことだと僕は想う。
そして、それは日本にとっても、農家にとっても、消費者にとっても、不利益でしかない。
だからこそ、「今」!
農法の枠を突き抜けて、胸襟を開き、本音で本気で話し、農と食の未来を話し、共に出来る事は何か?を模索していきたいと思ったのです。
それを「農FUTURE!」でやろうと決めました!!
8月30日(日)
東京渋谷にて、慣行・有機・自然の農家を集め、クロストークイベントを行います!
ぜひご参加下さい。
一緒に本気でこの国の未来を創造してみませんか?
その前に一度破壊しなければならないものがあります。
それは、僕含め、皆さん一人一人の中に有るのだと思います。
それを壊しに来ませんか?
【農FUTURE! The3rd Stage~農家の壁を突き抜けろ!~@渋谷】
http://kokucheese.com/event/index/324847/
親父ならなんて言うだろうなぁ。
まぁ今なら、ぶん殴られるのを覚悟して自然栽培を訴えますがね(笑)
それでもいいよ!
日本の農の未来は今の百姓が作っていく。
そして、全ての百姓は「豊葦原瑞穂の国」の百姓なのだから。
皆様、百姓はスメラミコトのオオミタカラだ!の素敵なお盆を!
【農FUTURE! The3rd Stage~農家の壁を突き抜けろ!~@渋谷】
http://kokucheese.com/event/index/324847/
ご参加お待ちしております!